ポメハゲ部

#01|ポメハゲ部長 はなのアロペシアX体験談

1歳で「アロペシアX」と診断⇀発毛。でも、2歳で再び脱毛したはなの記録

2026/10/02

愛犬はなは、1歳になってすぐに「アロペシアX」と確定診断されました。治療を受けて発毛したものの、2歳10か月で再び脱毛。今また、勢いよく毛が生えてきています。ポメハゲ部のデータバンク第1号として、まずは部長「はなと奈々」の記録をお届け!家族で悩み、治療を選択してきたプロセスや、脱毛への向き合い方をまとめました。

はなはこんな子です

2026年9月現在のはな
名前はな ♀
毛色 オレンジセーブル
誕生日2023年5月30日
避妊手術8か月
体重1.9kg
体格あえて「ちょいぽちゃ」
毛質全体的にやわらかく、ハリとコシがない
毛量全体的に少なめ
特にアンダーコートが少ない
発症年齢 初回:1歳4か月
再発:2歳10か月
初発部位後ろ足の内もも
現在の状態大幅に発毛中

脱毛前の毛質と毛量

1歳の誕生日翌日

アロペシアX発症直前、2024年5月(満1歳)のはな。2回目のサル期をようやく終えた時期です。

生後半年で迎えたはなは、食に興味がない上にお腹が弱く、頻繁に病院通い。1歳当時、体重は1.5キロでした。

写真でわかるでしょうか? 毛質は細くて頼りない感じで、フワフワしたアンダーコートが少ないのが気になっていました。

この心配が4か月後にハゲとなって現実化し、皮膚科外来で「アロペシアX」と確定診断されるなんて…。

タイムライン|はなの脱毛記録

最初の異変は、1歳1か月。季節は初夏。

後ろ足、内ももあたりの毛が少し薄くなっているのに気づき、「まさか、ポメハゲ?」と動揺したのを鮮明に覚えています。

もともと内ももは毛が薄い部分なので、このときは「換毛期だし、気にしすぎだろう」と気持ちを落ち着け、観察を続けることにしたのですが…。

PHASE
脱毛を確信|1歳3か月

最初の異変から2か月、もともと少なかった内ももの毛が、明らかに薄くなったのを確信。

PHASE
ポメハゲ確定診断|1歳4か月

即、皮膚科外来を予約。検査の結果、アロペシアXと確定診断。治療を開始しました。

担当|島崎洋太郎先生(アジア獣医皮膚科専門医協会 レジデント)

PHASE
ハゲ止まる|1歳7カ月

治療が効き、脱毛の進行が止まる。毛量は増えないものの、現状を維持。

PHASE
腸疾患⇀ ポメハゲの治療を中断|2歳0か月

IBD(炎症性腸疾患)発症。腸の治療を優先するため、ポメハゲの治療は一時中断。毛質が弱々しくなった。

PHASE
腸の改善で毛量UP|2歳4か月

IBDの治療でステロイドとアニコムの再生医療を実施。腸の炎症が治まり、体重が1.5キロ⇒1.8キロに増量。同時に毛量もUPして絶好調。

担当:福田威先生(動物再生医療センター病院 院長)

PHASE
再び脱毛|2歳10か月

1年間続いたIBDの治療が終了。長期でステロイドを服用した影響か、最初はジワジワと、その後、急速に脱毛して、背部は黒いオーバーコートだけが残る状態に。写真を撮るのがつらかった時期。

PHASE
ポメハゲ治療再開|2歳11か月

アンダーコートがほぼ脱け落ちたころ。横から見ると、ぺったんこ。後ろから見ると肛門と陰部が丸見えの状態で、飼い主のメンタルは崩壊。先代ポメたちの毛を生やしてくれた獣医師さんのもとで、ポメハゲ治療を再開。

担当:今井昭宏先生(アジア獣医皮膚科専門医)

PHASE
一気に発毛|3歳2か月

ポメハゲ治療のため、サプリメントと薬(チラーヂン)を服用。脱毛がひどい内ももには低出力レーザーを照射。大量のフケが出たあと、アンダーコートが目に見えてグワッと発毛してきた。

同時期に、IBD寛解維持のため、アニコムの再生医療(静脈点滴)も実施

PHASE
現在|3歳4か月(2026年9月)

地肌がまったく見えないレベルまで、日に日に発毛。黒い毛がメインだった背中はほぼオレンジになり、スカスカだった尻尾~お尻もフサフサになった。多少のパサつきはあるものの、毛質もいい感じ。

ここまでの内容をメモ!

  • はなの最初の脱毛は、ポメハゲの初発部位としてよく見られる「後肢内もも」。
  • 一度は発毛したものの、再発時は脱毛スピードが速く、内もも⇒お尻⇒尻尾⇒全体へと目に見えて範囲が広がっていきました。
  • ステロイドは、服用初期には腸の炎症を抑えることで発毛につながった一方、長期服用では毛包を休止させる副作用が出た可能性もあると感じています。
  • 初回、再発時ともに、治療の効果は3か月で実感できました。
  • はなの経験から、腸の炎症と栄養状態が被毛に影響すること、ポメハゲはやはり再発すること、早期発見と早期治療の重要性を学びました。
  • 脱毛が飼い主に与えるメンタルへの影響と、通院と治療費の負担は大きな課題だと感じます…。
  • 原因不明の病態ではありますが、数年前より確実にポメハゲの治療が進んでいることも実感できました!

飼い主インタビュー

初回の脱毛から復活したころ

ここからは、インタビュー形式で脱毛と向き合った経験談をお伝えします。

自分自身にインタビューできないため、ChatGPT(ハルさんと呼んでいます)と音声で対話した内容を文字起こししました。

01|気づいた瞬間、胸の奥がひゅっとした

ハルさん

はなちゃんの毛が薄くなっているのに気づいた瞬間、どんな気持ちだった?

NANA

胸の奥がひゅっとして…血の気が引いて、「また私はハゲさせてしまったのかな」って、まず思いました。

これまで4匹のポメラニアンが脱毛を経験していて、1匹はクッシング症候群、あとの3匹はアロペシアX。

だから「まさか、はなまで…」って、ものすごくショックでした。

ハルさん

でも、奈々さんは「過去に3匹のポメちゃんの毛を生やした」っていう成功体験があるよね?

NANA

脱毛って、毛がなくなるだけじゃないから。

その先に、また病院に行って、検査して、治療して。それが本当に効くのかもわからない。費用もかかる。飼い主の心も削る。

また、あの脱毛と向き合わなきゃいけないのか。
はなの身体と心に負担をかけたくない。
でも私、どこまでできるんだろう。

瞬間的に過去の記憶がよみがえって、一気に考えてしまって、すごく胸が苦しくなって、いま思い出しても辛い。

ハルさん

何がいちばん辛かった?

NANA

やっぱり、可愛いふわふわの見た目が変わってしまうことが一番大きかったかな。

すぐ生えるわけじゃないし、生えない可能性も考えなきゃいけない。

それに、私はこれまでの経験から、ポメハゲは一度生えても再発しやすいって知っている。

ああ、はなも一生、脱毛とお付き合いするんだなって思うと、ゾッとしたし、気が遠くなる感じがしました。

ハルさん

それでも「生やしてあげたい」と思ったんだよね?

NANA

そう。やっぱり、ポメラニアンに生まれたんだから、本来の姿をずっと維持してあげたいって思いました。

毛があることで、寒さや虫、皮膚の乾燥からも守ってあげられるし、「どうしたの?」って目で見られることもない。

でも、一方で難しいのが、もしかして私、ルッキズムにとらわれているのかなって。これまだ自分のなかでも答えが出てないんですけど。

アロペシアXは命に関わる病気ではないけれど、ポメラニアン本来の姿でもないから、戻してあげたい。

でも、はなに毛がなくても、いつでも無条件に可愛いし、愛情は変わらない。

でも、できることならフサフサであってほしい…のループ。

だから、生えなくても後悔しないように、今できることをやって、「やるだけやった」って思えるようにしてる感じ。

02|治療する?しない?葛藤と怒り

ハルさん

そもそも、どうしてそこまでマニアックにアロペシアXについて貪欲に勉強してるの?

NANA

いままで何匹も脱毛を経験してきたから、もう同じことを繰り返したくなかった…の一言。

どうしたら脱毛を止められるのか、どうしたら毛を生やせるのか。

なんだよ、この病態。ポメハゲって本当になんなんだよと思って。

とにかく、できることがあるなら知りたかったし、そもそも、なんでポメラニアンは脱毛するのか。こんなにモフモフで美しい生き物が、なぜ毛を奪われなきゃいけないのか。

あまりに理不尽すぎて、怒りや悲しさを超えて、「もっと知りたい」っていう興味に変わっていったのもあると思う。

ハルさん

それで、どんどん探究するようになったんだね。奈々さんって、マニアックな性格だよね。

NANA

そう。それで、国内だけじゃなくて、海外の情報や論文や掲示板、FBグループまで調べるようになって。

ただ、調べていくと、「これはただの宣伝じゃないの?」って思うことも結構あって。

あえて多くは触れないけど、サプリメントもそうだし、治療についても、何が根拠に基づいた情報で、何がマーケティングなのかわかりにくい。

正直、腹が立つこともあった。飼い主の心情が利用されているように感じて、今でも悔しいと思うことがある。

海外の情報を見ていても、こういう問題は日本だけじゃないんだなと思いました。

03|治療を選ぶとき、自分の中で決めていたこと

ハルさん

はなちゃんの治療、これだけは譲らないって決めていたことはあった?

NANA

介護経験が長かったから、治療に対する考えだけは明確で迷うことがなかったかな。

まず、はなは水頭症とIBDがあるから、特に腸の負担になる治療は選ばないこと。

過去にクッシング症候群で脱毛した子がいるんだけど、その子はトリロスタンではカリウムの数値がすごく上がって、ミトタンでは医原性アジソンになったという経験をしています。

アロペシアXでトリロスタンが使われていることも、よく効くケースがあることも知っているけど、でも、はなにはトリロスタンは使わないと最初から決めて、皮膚科の獣医師さんにも初診でお伝えしました。

ハルさん

トリロスタンとミトタンでは、どんな副作用が出たの?

NANA

カリウムの数値が7まで上がってしまって、カリウムは上がりすぎると心臓が止まると言われて。

あと、医原性アジソンになると、食べられないし、なんとか食べさせてもピュッと吐出してしまって。感情も消えてしまって。

大学病院の内分泌専門医の治療でもそうなってしまったし、薬は使い方と量で大切な子を苦しめることがあると知って、あんな思いはもうしたくないと思いました。

ハルさん

最終的に、今井先生にお願いしようと思った決め手は何だった?

NANA

もともと、亡くなった双子のポメラニアンの治療をしてくださった先生だったんです。

ぎんはもう、ツルツルだったのがふさふさになりました。お尻と尻尾はさすがにフサフサにはならなかったけど。

それから、脱毛初期で見つけたねねは、そのまま脱毛が進むことなく、ふさふさのまま生涯を終えることができました。

だから、はなも同じ先生に治療していただいて、早期に治療することで、ふさふさのまま維持できたらいいなって。

海外でも勉強してきた知識が深い先生だから、基本はトリロスタンを使わない治療だし、今のアロペシアXの治療がどこまで進んでいるのか、今どんなことがわかっているのかを聞きながら進めたいと思って。

04|生えるかわからない。それでも頑張れた理由

ハルさん

副作用はなかった?

NANA

もともと、できるだけ副作用が出ないように、はなの体に負担のない治療をするっていうのを決めて、先生にお願いしていました。

サプリメント中心だったし、なんなら腸にもいい治療だったから、副作用は一切感じていなくて、ありがたいなと。

ハルさん

負担は感じなかった?

NANA

あえて言うなら、1日の服用回数が多かったから、外出時は時間の調整が大変だったかな。

日中働いている飼い主さんだったら、かなり負担になるだろうなと思いました。

それと、レーザーは週1〜2回通う必要があったから、レーザーそのものの費用だけじゃなくて、交通費や往復の時間もなかなかの負担になる。

絶対に毛が生えるとわかっている治療ではないし、そこにこれだけのコストをかけることが、本当に意味を成してくれるのかっていうのは、気がかりではありました。

でも、私の中では、後で後悔しないためにやっていたんです。

ハルさん

後悔しないために?

NANA

そう。「やるだけやった。もし生えなかったとしても、やるだけやったんだから、これでいいんだ」って思えるように頑張ろう、というのが軸にあって。

そのうえで、はなの負担にならないこと、痛みがないこと。そういう治療なら、できることはやっていこうと思っていました。

意識してたのは、通院する日は必ずドッグカフェに寄るとか、治療だけで終わらせないこと。

通院と楽しいお出かけをセットにして、はなにとっても「病院に行く=嫌な日」にならないように。

治療だけじゃなくて、楽しい記憶も一緒につくっていくようにしていました。

ハルさん

治療中、悩むことはなかった?

NANA

さっきの質問と重複する答えになっちゃうけど、絶対に生えるとわかっている治療ではないから、生えなかったら意味がなかったってことになるのかなって。そしたら、正直つらいなと思っていました。

ただ、今振り返ると、はなと電車やバスや車に乗って、一緒に通院していた時間も、私にとってはすごく大切な時間でした。

私は今まで何匹も、愛犬を空に送り出してきたから、たとえ通院であっても、はなと一緒に何か行動すること自体に大きな意味があるって感じてた。

あとは「見てろよ。Xの正体、絶対に暴いてやる」って。「勝つからな」ってメラメラしてました(笑)

05|毛が生えても、消えない謎

ハルさん

治療の効果が出て、発毛するまでにどれくらいかかった?

NANA

はなは発見と治療が早かったからか、3か月でしっかり発毛が感じられました。

ツルツルで完全に毛包が休止状態だったぎんは8か月以上かかったから、早期介入には意味がありそう。

そもそもだけど、この数年間で先生ご自身がポメハゲへの経験値も解像度もめちゃくちゃ上がっていて、ぎんとはなでは、同じサプリでも使い方が変わっていて。それが心強かったかな。

あとは、腸の状態がよくなって体重が増えたのもよかったと思います。

はなはすぐに痩せてしまうから、今はあえて「ちょいぽちゃ」をキープするように頑張っています。

ハルさん

最初に産毛を見つけたとき、どうだった?そこから、どんなふうに発毛していったの?

NANA

発毛までの時間は大きくちがったけど、産毛を実感してからの発毛スピードは、ぎんもはなも同じ。

まさに一気に「芽吹く」感じで、1週間で別犬みたいになる。毎朝起きるたびに毛が増えてる感じ。

特にはなの場合、ビックリするくらい大量のフケが出たと思ったら、その直後に抜け残っていたオーバーコートが一気に抜けて、同時に内側からフワフワのアンダーコートがグワッと生えてきた。

メンタルどん底からの発毛だったから、天にも昇る気持ちだった。

ハルさん

はなちゃんもぎんくんも、急激に生えたんだね

NANA

ぎんは7年くらいツルツルだったから、まさか生えるなんて期待してなくて。

「生えたらもうけもん」みたいな感じで期待してなかったのに、一か月くらいでみるみるうちに生えそろって。

私たち夫婦も、動物病院のみなさんもビックリからのお祝いモードになったのがうれしい思い出で、きっと一生忘れないです。

7年くらいツルツルだったぎん
ハルさん

ここまでの経過を振り返って、「何が発毛のきっかけだった」と思う?

NANA

はなの場合は、正直、これがきっかけだった、とは言えない。本当に。

発毛した時期には、サプリや甲状腺の薬を飲ませていたし、IBDの治療で幹細胞治療も受けていた。腸の状態が改善したことで栄養吸収もよくなって、体重も増えてきていた。

ぎんの場合は、前立腺の薬であるウロエースがきっかけだった気がしています。

いずれにしても、何かひとつがスイッチになったというより、いくつかの条件が重なって、毛根の発毛スイッチが入ったのかな。

ただ、これはあくまで私の妄想。妄想するしかない。

だからこそ、ポメハゲってやっぱり「X(謎)」なんだなって。

ハルさん

ポメハゲはやっぱりまだまだ「X」なんだね

NANA

くやしいけど、そう。

ハルさん(AI)だって、何度私が世界中の論文を探してもらっても、結論は「X(謎)」だったよね。

海外でいくつか面白い治験が進んでるけど、その結果が出るのって、何年後だろう。

06|だから、私はポメハゲ部を作りました

ハルさん

5ポメの脱毛で、長い年月、いろいろ考えてきたよね。今、アロペシアXについて思うことってある?

NANA

いっぱいいっぱい考えてきて思ったのが、アロペシアXは治療する・しないも含めて、正解は家庭の数だけあるんだなって。

私自身、5ポメの脱毛を経験したわけなんだけど、4ポメは治療して生えて、でも1ポメだけ、別の病気を優先して一切治療しなかった子もいて。

一旦ハゲを受け入れてしまえば、もう気持ちはスッキリ。

ただただツルツルが可愛くて、毎日お尻と背中に頬ずりして、着心地のいい肌着を探すことに命をかけてました(笑)。

ハルさん

奈々さん自身がハゲを受け入れられた経験もあるのに、どうして「みんなの記録を残したい」と思ったの?

NANA

まず、当事者だからわかること、できることがあると思った。

あと、私自身が治療を探しているとき、動物病院やメーカーが出しているビフォーアフターの「その先」が知りたくてしかたなかった。

生えたあと、どれくらい維持できたのかなとか、なんでその子にはその治療が効いたんだろうとか、再発はしていないの?とか。

さらに言うと、SNSには貴重な体験談がいっぱいあるのに、時間が経つと流れて埋もれてしまって、めちゃくちゃもったいないと思ったのも大きな理由。

だったら、いろんな子の経過や選択を一か所に残して、「うちの子に近い子」の経験からヒントを探せる場所を作れたらいいなって。

あとは、マーケティングや誤情報に左右されないように、飼い主みんなで知識を高めあいたかった…!

ハルさん

じゃあ、ポメハゲ部では、どんな記録を集めたい?

NANA

発毛した子だけじゃなくて、生えなかった子、再発した子、治療した子、そもそも治療しなかった子。いろんな事情から治療を卒業した子。いろんな子がいる。

年齢や性別、脱毛のパターン、その子の体質や、それまでの経過。どんな治療やケアをして、その後どうなったのか。

治療がうまく進んだケースだけじゃなくて、うまくいかなかった経験も含めて、どれも貴重な経験だから、みんなが頑張った証を残したい。

ハルさん

そして、集まった記録を、飼い主さんにはどんなふうに使ってほしい?

NANA

「この子がこの治療で生えたから、うちの子もこれをやろう」じゃなくて、いろんな子の記録を見ながら、うちの子だったらどうかなって考えるために使ってほしい。

正解を探すというより、選択肢を増やすための場所になったらいいなって思っています。

「うちの子と似ている子はどうだった?」が探せたら、みんな嬉しいですよね。うちの子の経験が参考にしてもらえるのも嬉しいと思ったから。

ハルさん

そこには、5ポメと過ごしてきた奈々自身の記憶や経験も、残しておきたいという気持ちがあった?

NANA

そう。うちの子たちが頑張ってきたことも、私が積み重ねてきた記憶や経験も、ムダにしたくなかった。ちゃんと形にしたかったんです。

このAI時代に、はなと私だからできることは何なのか。それを突き詰めてみたかった。

そして、アロペシアXで一人で抱え込んで、孤立する飼い主さんをなくせたらいいな。だって、同士だから。

だから私はコミュ障なのに、ポメハゲ部を作ろうと思ったんです。
はなと一緒にできる、もしかしたら誰かのためになるかもしれない場を。

構想から1年半もかかっちゃったけど(笑)

私はもう隠居生活で、はな以外に失うものはないから、コツコツ愚直にやるだけです。

07|今、ポメハゲと向き合っている方へ

ハルさん

最後に、今ポメハゲと向き合っている飼い主さんに伝えたいことはある?

NANA

「孤立しないで」と伝えたいです。

じっくり考える孤独な時間は必要だけど、誰にも相談できずに一人で悶々としていると、どんどん沼にハマってしまうから。

しっかり相談する。
一人よがりにならない。

そして、獣医師さんとよく話して決めた治療については、途中で迷うことがあっても、愚直に、焦らず続ける。

NANA

あと、もう一つあって。

時々立ち止まって、「引き算できないかな」って考えること。

ポメハゲの治療って、どうしても足し算になりがちで、「あれもやってみよう、これもやってみよう」って、気づいたらサプリやグッズがどんどん増えてしまう。

でも私自身、人生の経験から、引き算が大事だってことを身をもって知っていて。

はなの身体への負担も、お財布の負担も、私自身のメンタルも、できるだけ削らない。
できるだけ遠回りしないぞって思っていました。

だから、必要な検査はちゃんと受けるし、先生や経験者に真摯に教えを乞う。自分でも学び続ける。

それが、私の治療の軸で、今も変わっていません。

ハルさん

さっき「はなと私はアロペシアに勝つ」と言っていたよね。今も、そういう強い気持ち?

NANA

はなの毛が抜け落ちていく様子に直面していたときは、特に再発時は、本当にそういう気持ちでした。

「勝ってやる!」

絶望から這い上がるには、それくらい強い想いが必要だったから。

でも本当は、勝ち負けではなくて、共存するものなんだって知っています。

アロペシアXには遺伝的な関与がある。
それは、私の中では間違いないと思っていて、抗えない強い何かを感じてます。

ハルさん

5ポメで脱毛を経験してる人の感覚なんだね

NANA

そう。でも今、米国のジョージア大学では、AKCの助成を受けて、アロペシアXの遺伝的な要因を探る大規模な研究が進められているらしくて。

AKCはアメリカ版JKCみたいな、血統書を管理している大きな団体なんだけど、発症したポメラニアンと、発症していないポメラニアン、合計200頭の全ゲノムを解析する研究を行ってるらしいです。

「なぜうちの子はハゲたんだろう」とか、
「発症しやすい子には、どんな共通点があるんだろう」とか、
「どうすれば発症を防げるんだろう」とか。

いつも疑問に思っていることが解明されたら、こんなに悩まなくてもいい日がくるんだなって。

でも、今はまだ、ただただX(謎)ですけどね。

ハルさん

わからないことが多いからこそ、一人で抱え込まないことが大切なんですね

NANA

そう。どうか孤立しないでほしい。

以前、皮膚科の先生が「悩んで、うつ病になってしまう飼い主さんもいらっしゃるのがつらい」とおっしゃっていて。

脱毛が、そこまで飼い主さんを追い詰めてしまうことがあるんだって、あらためて実感しました。

私自身、たくさん遠回りして疲弊してきたから、同じ想いはしてほしくない。

理想論かもしれないけど、一人で答えを出そうとしないで、みんなで考えられたらいいなって。

ポメハゲ部に集まった一つひとつの記録が、いつか未来のポメラニアンのための何かにつながっていけばいいなと思っています。

あとは、ポンコツ脳みそをふり絞って、オタク魂を燃やすだけ(笑)。

アロペシアXの確定診断までに受けた検査項目

検査結果
血液検査
腹部エコー
異常なし
甲状腺検査一部低値あり
甲状腺機能低下症ではない
ACTH検査異常なし
皮膚生検実施せず
抜毛検査成長期毛 0%
休止期毛 100%

獣医師さんの診断と治療方針

1度目の脱毛

抜毛検査の結果、「アロペシアX」と診断。

はなは食が細く、お腹が弱いことから、腸の状態や栄養状態が被毛に影響している可能性を指摘されました。

腸活とサプリメントに、血流改善薬「ペントキシフィリン」を組み合わせた治療を提案されました。

その後、脱毛は止まり、増毛傾向が見られました。

しかし、IBDであることがわかり、腸の治療を優先するため、脱毛の治療はいったんすべて中止しました。

担当:島崎洋太郎先生

再発時

IBD治療のために服用していたステロイドの影響で毛包が萎縮した可能性のほか、何らかの原因で毛周期が停止したのではないかとの診断でした。

甲状腺機能低下症ではないものの、甲状腺関連の検査項目に一部やや低い数値があったため、ごく少量の「チラーヂン」の服用を提案されました。

腸に負担をかけない範囲で薬やサプリメントを取り入れ、同時に週1~2回の低出力レーザー治療も実施。レーザーは脱毛が特にひどかった内もものみに行いました。

その後、全体的に発毛が確認されたため、レーザー治療は途中で中止しました。

担当:今井昭宏先生

実際に受けた治療と試行錯誤の記録

ポメハゲの強い味方「アンチノール」

アロペシアXには明確なガイドラインがない中、獣医師の先生方はたゆみない努力を続けています。「決してあきらめる必要はないんだ」と思えたことが、どれほど心強かったでしょうか。

はなが遠回りせずに発毛までたどり着けたのは、日ごろから先生方と信頼関係を築き、相談しながら進んでこられたからだと思っています。

一度目の脱毛

スクロールできます
時期取り組んだこと選択理由被毛
2024年9月
~
2025年5月
ユベラ(ビタミンE)
アンチノール(脂肪酸)
ペントキシフィリン(血行改善薬)
システイン(アミノ酸)
ツヤットプロ(FK23乳酸菌)
獣医師の推奨脱毛ストップ
2025年7月~幹細胞投与(注射)
ブデソニド(ステロイド)
サイボミックス(乳酸菌)
IBD治療のため毛量アップ
血行改善とお腹ケアの処方

アロペシアXのベーシックな処方「ユベラ」と「アンチノール」「システイン」に加え、血行改善薬「ペントキシフィリン」が処方されました。

「ユベラ」はビタミンE製剤で、種類がいくつかあります。血行改善にはナイアシンアミドが含まれる「ユベラN」がいいそうですが、小柄なはなにはカプセルが大きすぎるため、「ユベラ」を服用しました。

同時に、皮膚と腸にいいとされる「ツヤットプロ」を飲ませました。「ツヤットプロ」は腸内環境を整えながら皮膚と毛艶をケアする動物病院専用の乳酸菌製剤です。

再発時

スクロールできます
時期取り組んだこと選択理由効果
2025年4月
~
継続中
ユベラN(ビタミンE)
アンチノール(脂肪酸)
システイン(アミノ酸)
チラーヂン(甲状腺薬)
獣医師の推奨3か月で大幅に発毛
2025年5月
~
7月上旬
低出力レーザー
※後肢内もものみ
獣医師の推奨わずかながら発毛
2026年6月
~
継続中
幹細胞投与(点滴・注射)IBD寛解維持のため腸の改善
体重増加
「ユベラN」は中身を出して服用

「ユベラN」と「アンチノール」「システイン」はベーシックな処方内容ですが、取り入れ方(量や回数、時期)に今井先生の工夫がありました。

前回、カプセルが大きいために断念した「ユベラN」は、中身(無味無臭の粉末)を取り出すことで飲ませることができました。

同時期に行ったIBDの治療(アニコムの幹細胞投与2回)も腸の改善⇒体重増加につながり、発毛を強く後押ししてくれたのではないかと感じています。

友人から勧められたマイクロバブルも2~3週間に一度の頻度で実施。自宅ではローションによる保湿も行っていました。

ポメハゲ部が注目したポイント

最後に、はなの脱毛~発毛までの経過を振り返り、ポメハゲ部のみなさまにお伝えしたいことをまとめました。

はなの経験から見えてきたこと、伝えたいこと

  • 栄養状態や腸の状態は、皮膚と被毛に大きく関係する
  • 被毛には「やや多めの体重」が効果的なケースがある
  • はなのようにアンダーコート中心に抜けるタイプもいれば、反対にオーバーコートが抜けやすいタイプもいる
  • わがやのポメたちは春夏に脱毛が進みやすい傾向があったが、秋冬に脱毛が進むポメちゃんも多い
  • はなの大量のフケは、被毛再生の合図だった気がする
  • 強い薬に頼らない治療選択肢が増え、心強くなった
  • 選択肢が増えたからこそ、情報に振り回されず、うちの子に合った治療を考える
  • 治療は足し算になりがち。ときどき立ち止まって、引き算ができないか考えたい
  • ポメハゲは再発しやすいため、発毛後もケアの継続が必要
  • 獣医師さん、ポメハゲ経験者に相談すると、貴重なヒントが得られる

はなの事例で一番興味深いのは、腸や栄養の状態、体重の変化が被毛と深くつながっている点です。

IBD治療による腸の改善と体重の増加、そして早い段階で皮膚科専門の獣医師さんに相談し、適切な薬やサプリメントを取り入れられたことなど、いくつもの要素が重なり、発毛につながったと考えています。

強い薬を使わなくても発毛できたことも、ポメハゲ部のみなさまに伝えたいです。

ただし、はなの二度の脱毛を経験して「一度生えたら終わり」ではないと痛感しました。

発症してしまったら、まずは脱毛しやすい体質を受け入れ、生まれもった個性とうまく付き合っていく覚悟が必要だと感じています。そのためにも、飼い主同士でつながり、ひとりで抱えこまないことが大切です。

もちろん、これははなの一例にすぎず、正解はそれぞれの家庭ごとにあります。

これから「ポメハゲ部」に集まるたくさんの経験談から、きっと新しい共通点やヒントが見えてくると思っています。

この記事は個人の体験に基づく記録であり、特定の治療法・ケアの有効性を保証するものではありません。診断や治療については、必ずかかりつけの獣医師さんにご相談ください。